SuggescoMagazine 第 80 号 P.01
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Nano Banana Proを指定したのに、走っていたのは別のモデルだった。無料枠・料金・使い方の実測

Nano Banana Proを指定して画像を生成したのに、実行の記録では別のモデル名が返ってき…

Nano Banana Proで画像を作るつもりで、モデル名にそう指定して生成を投げました。出てきた絵は狙いどおりだったのですが、あとから生成の記録を開いたところ、実際に動いたモデルとして返ってきていたのは別の名前でした。2026年8月30日に、私が契約しているHiggsfieldのアカウントで確かめた結果です。ナノバナナプロは呼び名が3系統あるうえに、Geminiアプリ・Google AI Studio・外部のプラットフォームと入口も3つあって、どこから使うかで無料の範囲も1枚あたりの費用も変わります。正式名称と入口の整理から始めて、無料でどこまで試せるのか、1枚いくらかかるのか、そして自分が指定したモデルが本当に走ったのかを確かめる手順までを書きます。Google側の仕様には私が実測していない部分があるので、そこは時点を添えて、数字を作らずに書いています。

目次

Nano Banana Proとは ── 名前が3つあるのを先に整理する

Nano Banana Proの解説を何本か読むと、同じものを指しているはずなのに呼び名がそろっていません。Gemini 3 Pro Imageと書いている記事、Nano Banana Proと書いている記事、nano_banana_proという機械向けの表記が出てくる画面。混乱の半分は、名前が3系統あることから来ています。先にそこを片づけておくと、あとの話が読みやすくなります。

正式名称はGemini 3 Pro Image、Nano Bananaは通称

2026年8月時点でGoogleが案内している正式な名前は、Gemini 3 Pro Imageです。Nano Banana Proのほうは通称にあたります。名前の由来のほうは、私が見た範囲では公式のページに説明がありませんでした。解説記事にはいくつか説が出ていますが、裏の取れないものを書き写しても仕方がないので、由来には触れません。

通称のほうには、さらに枝分かれがあります。無印のNano Banana、上位のNano Banana Pro、世代が進んだNano Banana 2。加えて、Higgsfieldのような外部のプラットフォームで生成を呼び出すと、nano_banana_pronano_banana_2nano_banana_flash といった、下線でつないだ機械向けの表記が並びます。プラットフォーム側が内部で使っている名前なので、Googleが公表している製品名とは一致しません。

整理すると、次の3つが同じ話をしています。

名前の系統 どこで目にするか
正式な製品名 Googleの公式ページ、開発者向けの資料 Gemini 3 Pro Image
通称 解説記事、SNS、検索窓 Nano Banana Pro/ナノバナナプロ
プラットフォームの内部名 外部サービスのモデル指定欄、生成の記録 nano_banana_pro/nano_banana_2/nano_banana_flash

正式名と通称の対応は、Googleの料金ページの目次でそのまま確かめられます。

Gemini Developer APIの料金ページ。右側の目次に「Gemini 3 Pro Image(Nano Banana Pro)」「Gemini 3.1 Flash Image(Nano Banana 2)」「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」と、正式名とカッコ書きの通称が併記されている
Gemini Developer APIの料金ページ(2026年8月30日時点)。右の目次に正式名と通称が並んで書かれています。Nano Banana 2の正式名がGemini 3.1 Flash Imageで、Flashの系統だと分かります。

目次をよく見ると、ひとつ気づくことがあります。Nano Banana 2の正式名はGemini 3.1 Flash Imageです。つまりNano Banana 2は、もともとFlashの系列にあたります。あとの章で私の実測として書く「nano_banana_2 を指定したら nano_banana_flash が動いた」という現象は、名前の系統だけを見れば矛盾していない、ということになります。

3系統あることを知らないまま記事を読み比べると、書き手が間違えているように見えます。ところが実際には、それぞれが違う層の名前を書いているだけ、という場合が少なくありません。あとの章で書く「指定したモデル名で走るとは限らない」という現象も、名前がこれだけ分かれていることと無関係ではなさそうです。

Nano Banana Proでできること(機能は1行ずつ)

機能の一覧は、公式と各社の解説記事がすでに丁寧に並べています。同じものを長く書き写しても読む側の得がないので、2026年8月時点で名前が挙がっているものを1行ずつだけ置いておきます。

4Kでの出力。高解像度で書き出せる枠が案内されています。参照画像を複数枚渡せる。同じ人物や商品を、別の場面でも同じ見た目に保つための仕組みだと説明されています。画像の中に文字を入れる精度。看板やポスターのように、絵の一部として文字を描かせる用途を想定した改善が挙げられています。検索の情報を踏まえて図を作る。実在する事実に沿った図解を作る方向の機能です。思考モード。描き始める前に手順を考えさせてから出力させる作りだと説明されています。電子透かし。生成した画像に、AIが作ったものだと分かる印を埋め込む仕組みが案内されています。

数字が出ているものだけ、公式の記載から拾っておきます(2026年8月30日時点)。書き出しの解像度は2Kと4K。参照として渡せる画像は最大14枚で、そのうち人物は5人まで同じ顔を保てる、とされています。

透かしについては、少し細かい話があります。Googleが生成した画像には、目に見えないかたちでSynthIDという印が入ります。これは全部に入ります。一方で目で見える透かしのほうは、プランによって付いたり付かなかったりします。無料とGoogle AI Proでは画像にGeminiのマークが入り、Google AI Ultraでは外れます。開発者向けのGoogle AI Studioからでも外れる、と書かれていました。仕事で使う画像にマークが入るかどうかは、どの入口から出したかで変わります。

6つの機能そのものは、私が自分で条件まで確かめたわけではありません。私が保証できるのは、実際に生成を投げて手元で数字が動いた部分だけです。

どこで使えるのか ── 3つの経路

Nano Banana Proがどこで使えるのかという問いには、経路ごとに違う答えがあります。同じモデルでも、入口が変わると無料の範囲も費用の数え方も変わるので、自分がどこから触るのかを先に決めるほうが早いです。公式が挙げている提供面はもっと細かく分かれていますが、無料の範囲と費用の数え方という観点でまとめると、2026年8月時点では大きく3つになります。

1つ目、Geminiアプリ

いちばん敷居が低いのが、Geminiのアプリやブラウザ版から使う形です。会話の画面に指示を書けば画像が返ってくるので、モデル名を意識せずに済みます。

ただし、意識せずに済むことがそのまま弱点にもなります。アプリ側では「どのモデルを使うか」を型番で選ぶのではなく、モードや設定によって内部で決まる作りになっています。つまり同じアプリで同じように頼んでも、いつどのモデルが動いたのかを利用者の側では確定させにくくなります。あとの章で書く「使えなくなった」という感覚も、出どころのひとつはここだと思います。

2つ目、Google AI StudioとAPI

開発者向けの入口が、Google AI StudioとGemini APIです。AI Studioはブラウザで動く試作用の画面で、モデルを一覧から選んで、その場で生成を試せます。APIのほうは、自分のプログラムから呼び出す口です。

利点は、モデル名を自分で指定できる点に尽きます。アプリのように「たぶんこれが動いている」と推し量るのではなく、Gemini 3 Pro Imageを名指しして呼べます。一方で費用は使った分だけの従量になるので、月額のプランとは数え方が変わります。

2026年8月30日時点の公式の料金ページでは、Gemini 3 Pro Imageの出力が1枚あたり0.134ドル(1Kと2K)、4Kで書き出すと0.24ドルでした。まとめて処理するバッチの経路を使うと、それぞれ半額になります。

ここで注意が要るのは無料の扱いです。API経由には無料の枠がありません。料金表を見ると、Nano Banana Proも、無印のNano Bananaも、Nano Banana 2も、無料枠の列はすべて「なし」でした。無料で試せるのはGeminiのアプリ側の話であって、APIを叩く話ではありません。この2つを地続きに書いている解説記事をいくつか見かけたので、分けて考えておくほうが安全です。

3つ目、Higgsfieldなど外部プラットフォーム経由

3つ目が、複数のAIモデルをまとめて契約できるプラットフォーム経由で使う形です。私が普段Nano Banana Proを回しているのもここで、Higgsfieldという海外のサービスにPlusのプランで払っています。

ありがたいのは、月額で買ったクレジットという前払いのポイントを、モデルをまたいで使い回せる点です。画像はNano Banana Pro、動画は別のモデル、と行き来しても財布はひとつで済みます。逆に注意が要るのは、モデルの名前も、割り当てられるクレジットの単価も、プラットフォーム側が決めている点です。Googleの発表と画面の表記が一致しているとは限りません。

実際、私が今回ぶつかったのもそこでした。次の章に、その中身を書きます。

【実測】指定したモデル名で走るとは限らない ── 3層で食い違っていた

2026年8月30日、Higgsfieldの自分のアカウントで、同じ内容の指示を2回投げました。1回目はモデルに nano_banana_pro を、2回目は nano_banana_2 を指定しています。狙いは世代の違いを見ることでしたが、出てきた画像より先に、記録のほうに目が止まりました。

生成を頼むときの流れは、大きく2段になっています。1段目が投入(submit)で、「この条件で作ってください」と依頼を出し、受付番号が返ってきます。2段目が状態の確認(job_status)で、その番号を使って「できましたか」と聞き直すと、完成した画像と一緒に、実際に処理したモデルの名前が返ってきます。私が指定した名前、投入時に返ってきた名前、状態確認で返ってきた名前。3つの名前が、そろっていませんでした。

私が指定したモデル 投入時に返ってきたモデル 状態確認で返ってきたモデル 解像度 実際の寸法 消費クレジット
nano_banana_pro nano_banana_pro nano_banana_2 2k 2752×1536 2
nano_banana_2 nano_banana_flash nano_banana_flash 1k 1376×768 1.5

指定したモデル名が、そのまま実行されるとは限りませんでした。しかも、名前が入れ替わる場所が2回で違っています。

proを指定すると、状態確認ではnano_banana_2が返ってきた

1回目は、投入の時点では nano_banana_pro がそのまま返ってきています。ところが状態確認まで進むと、処理したモデルとして返ってきたのは nano_banana_2 でした。画像は2kで、2752×1536ピクセル。消費したクレジットは2でした。

同じ現象は前日の8月29日にも一度見ていました。1回きりだったので、そのときは判断を保留しています。翌日に同じ手順でもう一度やって同じ結果が返ってきたので、偶発的なものではなさそうです。名前だけを見て「Proが動いた」と判断していると、実際には別のモデルの出力を受け取っていることになります。

nano_banana_2を指定すると、投入の時点で別の名前になっていた

2回目のほうは、入れ替わりがもっと早い段階で起きていました。nano_banana_2 と書いて投げたのに、投入の受付が返ってきた時点で、すでにモデル名が nano_banana_flash になっています。状態確認でも同じ名前のままでした。

出てきた画像は1kで、1376×768ピクセル。1回目の半分の寸法です。消費クレジットは1.5でした。プラットフォームの公式な単価表では、Nano Banana ProもNano Banana 2も1枚2クレジットと書かれていました(2026年8月27日時点)。手元で実際に減ったのが1.5だったので、単価表と請求が食い違っていることになります。単価表の数字のほうが古いのか、指定した名前のモデルが走っていなかったのか、外からは決められませんでした。どちらにしても、表に書いてある単価だけを見て見積もると、手元の残高は別の減り方をするという点は変わりません。

モデルの一覧を検索しても出てこない

ならば正しい名前を一覧で確かめればいい、と思って、プラットフォームのモデル検索でNano Bananaを探しました。返ってきたのは空の結果です。1件も出てきません。

指定すれば動くのに、カタログからは引けません。名前の正しさを利用者側から確かめる方法が、少なくともこの経路には用意されていませんでした。プラットフォームが内部で扱っているモデル名は、公開されている一覧と同期していないことがある、と考えておくのが安全だと思います。

だから「走ったモデル」を毎回確かめる

ここまでの話を、実務の手順に落とします。難しいことをする必要はなくて、確かめる場所を知っておけば済みます。

1つ目、生成の記録に残っているモデル名を見る。プラットフォーム経由なら、状態確認の応答に処理したモデルの名前が入っています。管理画面から使っている方は、生成履歴の詳細を開くと同じ情報が出ていることが多いです。指定した名前ではなく、返ってきた名前のほうを読んでください。

2つ目、出力の寸法を見る。名前を追いかけられない画面でも、書き出された画像のピクセル数は必ず分かります。私の実測では、モデルが変わると2752×1536と1376×768で倍違いました。いつもと寸法が違えば、走ったものが違う可能性があります。画像の情報はパソコンのファイル情報から見られるので、いちばん手軽な確かめ方だと思います。

3つ目、減ったクレジットを見る。従量で払っている方なら、1枚あたりの消費が答え合わせになります。2のはずが1.5だったなら、想定と違うモデルが動いている可能性があります。生成の前後で残高を控えておくだけなので、手間もほとんどかかりません。

3つとも、絵柄が変わったと感じてから慌てて調べるより、いつもの数字を1回だけ控えておくほうが早く済みます。

無料でどこまで使えるのか

Nano Banana Proを無料で使えるのか、という問いは、たぶんいちばん多く投げられています。答えは経路によって変わるのですが、大枠だけ先に書くと、Geminiの無料の枠から試せる可能性はあります。ただし枚数の条件は動きやすい部分なので、数字は自分の画面で確かめてください。

Geminiの無料枠で試せる範囲

Googleは、Geminiに無料で使える枠を用意しています。2026年8月30日時点の発表ページには、無料で使う人には限られた枠がある、という書き方がありました。ただしそれが1日あたりなのか、もっと長い期間で数えられるのか、何枚なのかという数字は、公式には出ていません。解説記事のほうには具体的な枚数が書かれていることが多いのですが、公式の記載を私は見つけられなかったので、この記事では数字を書きません。

数字より大事なことが、同じページに書いてありました。無料の枠を使い切ったあとは、元のNano Bananaのモデルに戻る、と明記されています。止まるのではなく、下の世代に切り替わって続きます。つまり無料で試している間は、「いま自分が触っているのは本当にProなのか」という問いが常についてまわります。ここは後の章でもう一度扱います。

もうひとつ、無料の枠を試すときの実務的な話を添えておきます。回数が限られている状態でいろいろ試すと、指示を練り直しているだけで枠が終わります。私も外部のプラットフォームで、狙いが定まらないまま投げ直しを重ねて残高を減らしたことがあります。無料で試すなら、投げる前に指示の形を整えておくほうが無駄が出ません。何をどの順番で書くかはプロンプトの書き方の基本にまとめてあります。はじめて触る方は、一度のぞいてみてください。

「無料で使えるサイト◯選」を勧めない理由

Nano Banana Proを無料で使える場所をまとめた記事や、ログインなしで生成できると書かれたサイトが、たくさん出てきます。私はそちらを勧めません。理由は、ここまで書いてきたことと同じです。私が見た範囲では、無料をうたうサイトに、走ったモデルを確かめる手段は用意されていませんでした。画面にProと書いてあっても、裏で何が動いているのかを利用者が確かめられません。つまり、名前を掲げているだけなのかどうかを判断する材料が手元に残りません。私が自分の実測で見たのは、公式のプラットフォームですら指定した名前と実行されたモデルが食い違う、という状況でした。検証の手立てが無い場所なら、なおさら分からないままになります。加えて、無料をうたうサイトに画像や指示文を渡すことになるので、渡した先で何に使われるかという別の問題も残ります。試すなら、公式のGeminiか、生成の記録が確認できるプラットフォームからにしておくほうが安全でしょう。

料金は月額ではなく「1枚いくら」で見る

Nano Banana Proの料金を調べると、月額の数字が並びます。月いくらのプランに入れば使える、という形で書かれているので、そのまま比較したくなります。ただ、実際に払っている側の実感としては、月額よりも1枚あたりいくら減るかのほうが、支払いを決めていました。

Google側のプランの骨格だけ

Googleの側にも、Geminiの有料のプランが用意されています。2026年8月30日時点の公式ページでは、無料を含めて次の段に分かれていました。

プラン 月額(公式ページの日本円表示)
無料 0円
Google AI Plus 725円
Google AI Pro 2,900円
Google AI Ultra 14,500円 / 32,000円

Ultraに2つ数字が並んでいるのは、使える量の違いで段が分かれているためです。上のプランほど高性能なモデルを多く使えて、画像生成に回せる枠も広がる、という並びになっています。

ひとつ、書いておきたいことがあります。各プランで画像を何枚まで作れるのかという数字を、Googleは公式ページに載せていません。発表のページにも「上のプランほど枠が大きくなる」という趣旨の説明しかなく、具体的な回数は出てきませんでした。解説記事のほうには枚数がはっきり書かれていることが多いのですが、私は公式の記載を見つけられていないので、この記事では枚数を書きません。契約の直前に、公式の画面でご自身の目で確かめてください。

【実測】枚単価と解像度

外部のプラットフォーム経由なら、1枚あたりの数字がはっきり出ます。2026年8月30日に自分のアカウントで実測した数字が、次のとおりです。

実際に走ったモデル 解像度 実際の寸法 1枚あたりのクレジット
nano_banana_2(proを指定して実行) 2k 2752×1536 2
nano_banana_flash(2を指定して実行) 1k 1376×768 1.5

差は0.5クレジット、率にすると25%です。金額だけ見れば小さく感じますが、寸法のほうは面積で4倍違います。安いほうを選んだつもりが、引き伸ばして使えない画像になっていた、という形で跳ね返ってくる可能性があります。

プラットフォームの公式な単価表では、Nano Banana Proが1枚2クレジット、4Kで書き出すと1枚4クレジットと書かれていました(2026年8月27日時点)。月にもらえるクレジットの総量や、プランごとに何枚作れるのかという全体の話はHiggsfieldの料金は結局いくらか。クレジットの減り方とプランの選び方のほうに数字を並べてあります。月額をいくらに置くか迷っている方は、あわせて読んでみてください。

検証1回の実費は3.5クレジット

今回の検証で私が使ったのは、合計3.5クレジットでした。Proの指定で2、2の指定で1.5です。外に投げたのは2回だけなので、費用はこれで済んでいます。

3.5で収まったのには理由があって、比較の前段を無料で済ませています。Higgsfieldには、実行せずに「この条件なら何クレジットか」だけを聞ける見積りの機能があります。見積りを取るだけなら、残高は1つも動きませんでした。つまり単価を突き合わせるところまでは、生成を1枚も作らずに進められます。実費が出たのは、画質のほうを見比べるために実際に書き出した2枚だけでした。候補のモデルが3つ4つに増えても、先に見積りだけを取って比べるかぎり、絞り込みの段階に費用はかかりません。

品質差の正体は、解像度ではなかった

2つのモデルには同じ指示を出しています。誌面の見開きに、日本語の見出しと小見出しを入れてほしい、という内容です。出てきた2枚を並べたのが次の図です。

上下2段の比較図。上段はnano_banana_proを指定して2kで生成された誌面の見開きで、日本語の見出しと小見出しが誤字なく描かれている。下段はnano_banana_2を指定してnano_banana_flashが1kで生成した誌面で、見出しは正しいが小さい本文が読めない文字列になっている
2026年8月30日に生成した2枚を並べたもの。上がPro指定(2k)、下が2指定で実際にはflashが走ったほう(1k)です。

差が出たのは解像度ではなく、小さい日本語が壊れるかどうかでした。上の1枚は、私が指定した文字が誤字なく入っていて、しかも頼んでいない本文を勝手に足していません。下の1枚は、大きく置かれた見出しのほうは正しく描かれているのに、自分から足した小さい本文が全部、日本語に見えるだけの別物になっています。寸法が半分だから細部がつぶれた、という話ではありません。読める文字を書くか、文字らしい形を並べるかの差に見えました。

実務で困るのは、縮小して見ると気づけない点です。記事のサムネイルやSNSの投稿くらいの大きさで眺めると、下の画像も普通の誌面に見えます。等倍まで開いて初めて、読めない文字だと分かります。私も、縮んだ状態のまま通してしまって、あとから文字がおかしいと気づいたことがあります。それからは等倍まで開いて見るようにしました。文字の入る画像をどう指示するかはAI画像生成のコツのほうにまとめています。興味があればご覧ください。

「Nano Banana Proが使えなくなった」と感じるとき

Nano Banana Proが使えなくなったのはなぜか、という問いが増えています。2026年8月30日の時点で上位に出ていた記事をひととおり読みましたが、正面から答えているものを私は見つけられませんでした。私の実測から言えることを書いておきます。

無料の枠を使い切ると、無印のNano Bananaに戻る

いちばん大きい答えは、Googleの発表ページに書かれていました。無料で使っている人には限られた枠があり、その枠を超えると、元のNano Bananaのモデルに戻ると明記されています(2026年8月30日時点の記載)。

切り替わったことを知らせる派手な表示があるわけではありません。同じ画面から、同じつもりで指示を出し続けられます。出てくる絵の質だけが変わります。「昨日までと様子が違う」「急に文字が入らなくなった」という感覚の出どころは、多くの場合ここだと思います。機能が消えたのではなく、枠を使い切ったあとも同じ入口が開いたままで、中身だけが下の世代に入れ替わっている、という状態です。

ここが今回いちばん腑に落ちた部分でした。私がプラットフォーム側で見たのは、指定した名前と実行されたモデルの名前が食い違う、という現象です。Googleの側にも、枠を使い切ったら別のモデルへ移る仕組みが最初から入っている。名前を指定したつもりでも、動いているものが別だという状況は、どこかの不具合ではなく、この分野では普通に起きることのようです。

モード名と中身がズレることもある

画像生成のモデルは入れ替わりが速く、上の世代が出ると、前の世代は名前を残したまま中身が差し替わったり、選択肢から静かに外れたりすることがあります。アプリの画面はモード名で操作する作りなので、名前が同じままでも、動いているモデルが変わることがあり得ます。

利用者から見ると、機能が消えたようにも、急に品質が落ちたようにも見えます。絵柄が変わった、文字がうまく入らなくなった、という違和感の正体が、自分の設定ではなくモデルの入れ替わりだった、という可能性は残しておいたほうがよさそうです。

まず確認する3点

1つ目、走ったモデルの名前を確かめる。前の章に書いた手順です。生成の記録に出ている名前、書き出された画像の寸法、減ったクレジット。3つのどれかを見れば、前と同じものが動いているかどうかは判断しやすくなります。

2つ目、無料の枠を使い切っていないかを見る。回数の上限に達すると、下の世代のモデルに切り替わる、あるいは生成そのものが止まる作りになっているサービスがあります。急に品質が落ちたと感じたときは、残り回数の表示を先に見てください。

3つ目、プランで開くモデルが変わっていないかを見る。プラットフォーム経由の場合、プランによって使えるモデルが違います。契約を下げた月や、提供の条件が変わった月に、同じ操作でも別のモデルへ回されることがあります。

3つとも確かめたうえで、それでも様子がおかしいなら公式のお知らせを見る、という順番がよいと思います。手元で確かめられることを先に潰しておくと、問い合わせるときも状況を説明しやすくなります。

AIが速く安くなるほど、「確かめる」が人の側に残る

今回の検証で外に投げたのは2回、費用は3.5クレジットでした。金額としては数十円の世界です。画像を1枚作る手間も費用も、この数年でずいぶん軽くなりました。

ただ、指定した通りに走っていないことは、出力を等倍で自分の目で見るまで分かりませんでした。名前は返ってきているし、画像も出てきているし、エラーも出ていません。数字を突き合わせて、はじめて食い違いに気づきました。生成が速く安くなるほど増えるのは、制作ではなく検品のほうです。

作る側の作業がAIに移っていくと、人の手元には「出てきたものが本当に頼んだものか」を確かめる仕事が残ります。しかも作る速度が上がったぶん、確かめる対象の数は増えます。時間をかけて1枚を作っていた頃なら出来上がりを長く眺めていたはずのものが、いまは短い待ち時間で次々に積み上がります。眺める時間のほうが先に削られていきます。

今回の食い違いに気づけたのは、たまたま2つのモデルを比べようとして、記録を2回開いたからでした。片方だけ作っていたら、たぶん気づかないまま使っていたと思います。効率が上がって浮いた時間の一部は、確かめることに戻してもいいのかもしれません。少なくとも私は、寸法と残高を控える程度の手間は残しておくつもりです。

よくある質問

Q. Nano Banana Proの正式名称は?
A. 2026年8月時点でGoogleが案内している正式な名前はGemini 3 Pro Imageです。Nano Banana Proのほうは通称にあたります。外部のプラットフォームでは nano_banana_pro のような機械向けの表記が使われていて、3系統の名前が併存している状態です。

Q. Nano Banana Proを無料で使う方法はありますか?
A. Geminiの無料の枠から試せる可能性があります。ただし何枚まで無料かという条件は動きやすいので、この記事では数字を書いていません。自分のアカウントの画面に出ている残り回数を見てください。無料をうたう外部のサイトについては、走ったモデルを確かめる手段が無いので、私は勧めません。

Q. Nano Banana ProのAPIの料金はいくらですか?
A. 2026年8月30日時点の公式の料金ページでは、出力が1枚あたり0.134ドル(1Kと2K)、4Kで0.24ドルでした。バッチの経路ならそれぞれ半額になります。あわせて押さえておきたいのは、API経由には無料の枠が無いことです。無料で試せるのはGeminiのアプリ側の話で、APIとは分けて考える必要があります。

Q. HiggsfieldのNano Banana Proの料金はいくらですか?
A. 公式の単価表では1枚2クレジット、4Kで書き出すと1枚4クレジットです(2026年8月27日時点)。私が2026年8月30日に nano_banana_pro を指定して生成したときも、2kの1枚で2クレジット減りました(このとき実際に走ったモデル名は本文のとおりです)。月にもらえるクレジットの量はプランで変わるので、総量のほうは料金の記事に表を置いてあります。

Q. Nano Banana Proで動画は生成できますか?
A. 画像を作るモデルなので、動画の生成は担当していません。動画を作るなら、Googleの側でも外部のプラットフォームでも、動画向けのモデルを別に選ぶことになります。クレジットの減り方も、画像は1枚あたり、動画は秒あたりで数え方が変わります。

Q. Nano Banana Proの透かしとは?
A. 2つあります。1つ目は目に見えないSynthIDで、Googleが生成した画像には全部入ります。2つ目は目で見えるGeminiのマークで、こちらは入口によって付いたり付かなかったりします。2026年8月30日時点では、無料とGoogle AI Proでは付き、Google AI UltraとGoogle AI Studioでは外れる、と案内されていました。仕事で使う画像なら、どの入口から出したかを確かめておくほうが安全です。

Q. Nano Banana Proで作った画像は商用利用できますか?
A. 規約の話になるので、私の実測では答えられません。Googleの利用規約と、外部のプラットフォームを経由するならそちらの規約と、2つを読む必要があります。仕事で使う前にGoogleの利用規約を開いて、生成物の扱いを確認してください。

まとめ

Nano Banana Proの正式な名前は、2026年8月時点でGemini 3 Pro Imageです。通称とプラットフォームの内部名を合わせて3系統あるので、記事ごとに呼び名が違って見えます。使える経路も3つあって、Geminiアプリはモデルを型番で選べない代わりに手軽、Google AI StudioとAPIはモデルを名指しできる代わりに従量、外部のプラットフォームはクレジットで管理する形になります。

2026年8月30日に自分のアカウントで確かめたところ、指定したモデル名がそのまま実行されるとは限りませんでした。nano_banana_pro を指定すると状態確認では nano_banana_2 が返り、nano_banana_2 を指定すると投入の時点で nano_banana_flash に変わっていました。単価は2クレジットと1.5クレジット、寸法は2752×1536と1376×768。モデルの一覧を検索しても該当は出てきませんでした。

品質の差は、解像度ではなく小さい日本語が壊れるかどうかに出ていました。片方は指定した文字を誤字なく描き、もう片方は自分から足した本文が読めない文字列になっています。縮小表示では気づけないので、等倍まで開いて見るのが確実です。

絵柄が変わった、使えなくなった、と感じたときに見る場所は3つ。生成の記録に出ているモデル名、書き出された画像の寸法、減ったクレジットです。いつもの数字を1回控えておくだけで、次に違和感が出たときの答え合わせになります。料金も仕様も動きやすい領域なので、契約や本番の制作に入る前に、公式の画面でご自身の目で確かめてください。

更新履歴

2026年9月:初版を公開しました。モデル名の食い違い・解像度・消費クレジットは、2026年8月30日にHiggsfieldのPlusプランで実際に生成して確認した内容です。プラットフォームの単価表は2026年8月27日時点、Google側の仕様は2026年8月時点の公開情報にもとづいています。

Ryuichi
Writer / 運営者 Ryuichi

金沢を拠点に、AI活用とこれからの暮らし方を実際に試して記録しています。

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