AI画像生成のコツは「足す」より「禁止する」。ロゴが焼き込まれた失敗から学んだプロンプトの書き方
AI画像生成のコツを調べると「具体的に書きましょう」と出てきますが、足すほど余計なものが増えます…

AI画像生成のコツを調べると、たいてい「プロンプトを具体的に書きましょう」と出てきます。私も最初は素直にそう考えて、画風も光も構図もどんどん書き足していきました。それでも思った絵にはならず、ある日ついに、生成された画像の本の表紙と背表紙に実在する企業のロゴが焼き込まれて出てきました。商標なので当然使えません。作り直しながら分かったのは、指示が足りないのではなく、余計なものを止めていないという単純な話でした。実際に何が起きたのか、そこから何を変えたのかを書きます。
AI画像生成がうまくいかない理由
まず言葉の整理から始めます。プロンプトとは、AIに渡す指示文のことです。作りたい絵を文章で説明したもの、と考えてもらえれば十分です。「白い机の上に置かれた黒いノートパソコン、真上から撮影、自然光」のように書くと、AIがその説明を手がかりに画像を組み立てます。同じ道具でも書き方ひとつで出力が変わるのは、AIが文章の中の語をそれぞれ手がかりとして拾い、絵の要素に置き換えているからです。
たいていの解説記事は、ここまでを丁寧に書いてくれます。問題は次です。うまくいかないときに私たちが取る行動は、ほぼ例外なく「言葉を足す」です。人物の表情が硬いから「柔らかい笑顔」と足します。背景がうるさいから「シンプルな背景」と足します。それでも直らないので、さらに足していきます。
ところが、足せば足すほど指示は長くなり、AIが拾う手がかりも増えます。増えた手がかりのどれかが、思ってもいない要素を呼び込みます。私が企業ロゴを焼き込まれたときのプロンプトも、まさに足した結果でした。足りないから直らないのではなく、止めていないから直らないことがある。気づけたかどうかで、やり直しの回数がかなり変わりました。
AI画像生成のコツは「足す」より「禁止する」
私が今いちばん時間をかけて書いているのは、描いてほしいものではなく、描いてほしくないものの列挙です。いわゆるネガティブプロンプト、つまり除外指示にあたる部分です。ツールによっては専用の入力欄がありますし、欄がないツールでも本文の末尾に並べて書けば同じように扱われます。
多くの人がつまずくのは、除外の書き方が雑になりがちなところです。文字を消したいときに no text と書く。私も最初はそれで消えると思っていました。実際には消えませんでした。表紙には、架空のブランド名のような鏡文字が入りました。数字らしきものや、金の箔押し風の紋章も出てきます。文字を消したはずなのに、文字らしきものが残り続けました。
結局、思いつく限りの名前を全部並べたところで、ようやく文字らしきものが出てこなくなりました。実際に使っている並びが下のものです。長いほど良いというわけではありませんが、「文字」という一語ではAIが拾う範囲が狭いのだと考えると納得がいきます。
no text, no logos, no emblems, no seal, no crest, no gold stamping, no label, no sticker, no lettering, no characters, no numbers, no symbols
用途に応じて足す語もあります。目盛りのある道具を写したくないときは no measuring scales、看板を消したいときは no signage を加えます。日本語のプロンプトで書いている場合も、除外の部分だけ英語を混ぜて問題ありません。私は本文を日本語、除外リストを英語という混ぜ方をよくします。
文字・ロゴ・記号のほかに、手や指(形が崩れやすい)、複数の光源(影の向きが矛盾しやすい)、余計な小物(画面がうるさくなる)、人物の背後を通る通行人あたりを止めておくと、直しの回数が減ります。全部を毎回書く必要はなく、その絵で邪魔になりそうなものだけで十分です。
画風にブランド名を使わない
ロゴが焼き込まれた原因は、はっきりしています。画風を伝えるつもりで、プロンプトに実在する企業の名前を書いていたからです。「あの会社の製品ページのような雰囲気」と伝えれば伝わるだろう、という軽い気持ちでした。AIはその名前から画風だけを抜き出してはくれず、ロゴまで一緒に持ってきました。二枚とも使えませんでした。
それ以来、画風はブランド名ではなく、状態を説明する言葉で書いています。何を指しているかが自分でも言語化できるので、微調整もしやすくなりました。
| やめた書き方 | 言い換えた書き方 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| 「○○社の製品ページ風」 | スタジオ撮影の物撮り/余白の多い誌面のような構成/背景は継ぎ目のない一色 | 商標が入らない。余白量も自分で決められる |
| 「映画のような」 | 単一光源/強い明暗差/わずかなフィルムの粒子感 | 雰囲気の正体が光の指定に変わる |
| 「おしゃれな写真」 | 被写体は3点まで/真上から/色は白と黒とグレーのみ | 毎回同じトーンで揃う |
| 「かわいい女性」 | 20代後半/自然光の入る窓際/視線はカメラの外/表情は控えめ/服は無地 | 顔の作りより、場面が安定する |
右の列を見ると分かるとおり、やっていることは画風の指定というより、撮影条件の指定に近いです。写真の心得がなくても、光は一つか複数か、背景は無地か景色か、被写体は何点までか、この三つを決めるだけで出力の揺れがだいぶ収まります。
プロンプトに書く要素と、書く順番
私が書いている項目は多くありません。主題(何が写っているか)、構図(どこから見ているか)、背景、光、色調、そして最後に除外リスト。この六つを、いつも同じ順で書いています。あれこれ試してみましたが、項目を増やすより、この六つを毎回埋めるほうが出力は安定しました。
六つのうち、いちばん結果が変わるのが構図です。どこから見ているかを書かないと、AIが勝手に決めてしまいます。私が使い回している言い方は、真上から/斜め上から見下ろす/真横から/目線の高さから、の四つくらいです。あわせて被写体との距離も書きます。机の上のものを見せたいなら「真上から、机の面いっぱいに」、人物なら「上半身のみ」「膝から上」と書いておくと、余計な背景が入り込みません。カメラの用語を知らなくても、自分がどこに立って何を見ているかを説明すれば通ります。
画像の縦横の比率(アスペクト比)は、多くのツールでプロンプトとは別の欄で指定できます。用途で決まるので迷うところはありません。ブログのアイキャッチなら16対9、SNSの投稿なら正方形か縦長、記事の途中に挟む図なら横長にします。先に決めておくと、あとから切り抜いて主題が欠ける、という手戻りがなくなります。私は記事に使う画像をほぼ16対9の白黒に固定していて、比率とトーンを決め打ちにしたぶん、考えるのが主題だけで済むようになりました。
語順については、先頭に置いた語ほど強く反映されるという説明をよく見かけます。私の体感でも、主題を先頭に置いたほうが崩れにくいのは確かです。ただ、ツールによって挙動は違うようなので、法則として覚えるより「いちばん譲れないものを先に書く」くらいに考えておくのが実用的でしょう。
曖昧な語をどこまで具体にするかは、悩みどころだと思います。私の目安は、その言葉を読んだ別の人が、だいたい同じ絵を思い浮かべられるかどうかです。「リアルな写真」では人によって思い浮かべる絵が違いますが、「窓から入る自然光だけで撮った、背景のぼけた室内写真」なら近いところに揃います。指示を書くときの感覚は、文章をAIに書かせるときとほとんど同じです。何を渡せば伝わるかという話はプロンプトの書き方の基本にまとめているので、あわせて読んでみてください。
用途別のプロンプト雛形
毎回ゼロから書いていると、書き忘れが出ます。私は用途ごとに雛形をひとつ決めて、主題の部分だけ差し替えて使っています。参考までに、実際に近い形のものを三つ載せておきます。除外リストは共通なので、末尾に同じ並びを付ける前提です。
【記事のアイキャッチ(16:9・白黒)】 木の机の上に、閉じたノートパソコンとコーヒーカップ、 眼鏡を3点だけ配置。斜め上から見下ろす構図。 背景は継ぎ目のない無地。窓からの自然光ひとつだけ。 白黒、わずかなフィルムの粒子感。 (+除外リスト) 【商品を1点だけ見せる(正方形)】 被写体は◯◯を1点、中央に置く。真横から。 背景は明るいグレーの無地で、床と壁の境目を作らない。 光は左上から一方向。影は柔らかく短く。 色は被写体の色だけ残し、それ以外は無彩色。 (+除外リスト) 【人物を入れる(縦長・SNS用)】 20代後半の人物が窓際の椅子に座っている。上半身のみ。 視線はカメラの外。表情は控えめ。服は無地。 背景は室内だがぼかす。自然光ひとつ。 手は写さない。全体はやや暗めのトーン。 (+除外リスト)
雛形が決まると、考えるところが「何を差し替えるか」だけになります。書き忘れが減るぶん、出てくる絵のばらつきも小さくなりました。同じ記事群に使う画像は特に、トーンが揃っているだけで見栄えが変わります。
英語で書くべきか、日本語のままでいいか
解説記事の多くが「英語で書け」と勧めていますが、私は本文をほぼ日本語で書いています。近年の画像生成モデルは日本語の自然文をそのまま受け取ってくれますし、日本語のほうが細かいニュアンスを迷わず書けるからです。英語に訳す手間の分だけ、指示が雑になるほうが痛いと感じています。
例外は、さきほどの除外リストのように定型で並べる部分です。英語のほうが短く、語の切れ目もはっきりするので、そこだけ英語にしています。日本語で書いてうまくいかない箇所があれば、その部分だけ英語にしてみる。たいていはそれで直ります。最初から全文を英語で書き直す必要はないでしょう。
もうひとつ、古い作法として残っているのが、masterpiece や best quality といった品質を上げる決まり文句を、プロンプトの先頭に並べる書き方です。以前の画像生成ツールでよく使われていた手法で、いまも解説記事に残っています。私は使っていません。仕上がりを良くしたいときは、決まり文句を足すより、光の当たり方や質感を一つ具体的に書くほうが、変化が目で見て分かります。
プロンプト自体をAIに書かせる
私がいちばん横着しているのが、たぶんこの工程です。プロンプトを自分で一から書くことは、ほとんどありません。作りたい絵の条件を箇条書きで渡して、Claudeにプロンプトの形へ組み立ててもらっています。除外リストも「いつもの並びを入れて」で済みます。
渡し方は本当に素っ気ないもので、「記事のアイキャッチ用に16対9。机の上に閉じたノートパソコンとコーヒー。白黒。文字とロゴは一切入れない。プロンプトにして」くらいです。返ってきた文をそのまま画像生成のツールに投げます。生成そのものは、私の場合はHiggsfieldとGPT Imageを使っています。Higgsfieldは画像と動画をまとめて作れるサービス、GPT ImageはOpenAIの画像生成モデルで、ChatGPTの中でも動いているものです。どちらも有料で契約しているので、無料でどこまでやれるかという話は正直に書けません。
ChatGPTを使っている方なら、同じことをChatGPT側で完結させることもできます。画像生成まで一本でつながっているぶん、入口としてはそちらのほうが分かりやすいでしょう。私が言葉の組み立てをClaudeに任せているのは、Claudeのほうが優れているという主張ではなく、仕事の道具がClaudeに寄っていて、そのまま流したほうが速いからです。優劣ではなく、自分の作業に馴染むかどうかで選んでいます。
指示の組み立てをAIに任せると、自分では思いつかない語が入ってきます。「継ぎ目のない背景」「柔らかい影の落ち方」あたりは、私の語彙にはなかった言葉でした。書き方を覚えるより、書けるAIに渡してしまうほうが早い場面は確実にあります。ふだんの仕事でAIをどこまで任せているかはClaude Codeのはじめ方に書いたので、興味があればご覧ください。
生成した画像は等倍で確認する
地味ですが、いちばん助かっている習慣です。生成された画像は、必ず等倍まで拡大して自分の目で見ています。縮小表示のままだと、文字やロゴの混入にまず気づきません。ロゴが焼き込まれた二枚も、サムネイルで見ている間はまったく違和感がありませんでした。
つい先日も似たことがありました。「閉じたノートパソコン」と指定したのに、生成されたのは開いた状態のパソコンで、しかも画面に文字らしき模様がびっしり並んでいました。縮小してあると、ただの画面にしか見えません。拡大したところで気づいて、作り直しました。
見るところは決まっています。文字・数字・記号の混入、ロゴや紋章のような形、手や指の本数、影の向きが被写体ごとにばらけていないか、それから被写体の輪郭の破綻。五つを順に見るだけで、あとで気まずい思いをする確率がかなり下がります。納品物や記事に使う画像なら、なおさら省かないほうがいいでしょう。
AIっぽさ、不自然さの消し方
生成した画像を並べたときに漂う独特の「AIっぽさ」は、絵の巧拙より要素の多さから来ていると感じています。実際、私が直すのは決まって同じところです。
まず被写体を減らします。机の上に五つ置くと嘘っぽくなるものが、三つに減らすと途端に落ち着きます。次に光源を一つに絞ります。複数方向から光が当たっている絵は、影の向きが合わずに不自然さが出ます。それから色数を減らします。私が記事のアイキャッチをほぼ白黒で作っているのは、色が減るほど破綻が目立たなくなるからでもあります。
質感の指定もひとつ入れておくと、のっぺりした感じが薄れます。わずかな粒子感、紙のざらつき、木目の細かさといった言葉が使えます。ただし足しすぎると、また余計なものを呼び込みます。ひとつだけにしておくのが無難です。文章の側で同じ悩みを持っている方は、AIっぽい文章を自然にする話もどうぞ。要素を減らすと自然になる、という点では画像とよく似ています。
もうひとつ。アイコンや細かい記号は、画像生成に頼らず自作するほうが結果的に安全です。私はサイトで使う小さなアイコンを、SVGという形式で自分で書いています。SVGは線や丸の位置を文字で指定する画像の形式で、拡大しても粗くなりません。難しそうに見えますが、やっているのは線を数本引くだけですし、書き方が分からなければAIに聞けばそのまま出てきます。配布されているアイコンのライセンスを確認する時間より短く済みますし、権利関係で悩む余地がありません。生成AIに任せる範囲と、手で作る範囲を分けておくと気が楽です。
直らないときは、作り直したほうが早い
同じプロンプトを少しずつ直して粘る、というやり方を私はほとんどしなくなりました。二回か三回直しても近づかないときは、たいてい指示の組み立て自体がずれています。一行ずつ直すより、条件を書き出し直して最初から投げるほうが早いことが多いです。
作り直すときは、うまくいかなかった絵の何が嫌だったのかを一言で書き出してから始めます。「机の上が散らかって見える」「光が強すぎて金属が飛んでいる」といった具合です。嫌だった点が言葉になれば、それがそのまま次の除外リストか、光の指定に変わります。粘って直すより、この一往復のほうが短い時間で決まります。
参照画像を渡せるツールなら、前の生成を引き継いで直す方法もあります。人物や商品の見た目を揃えたいときは、言葉で書き直すより参照を渡したほうが確実です。ただ、参照に引っ張られて構図まで固定されることがあるので、変えたい部分は言葉ではっきり指定しておいたほうがいいでしょう。
商用利用で気をつけていること
生成した画像を仕事で使えるかどうかは、使っているサービスの利用規約によって変わります。プランによって扱いが違う場合もありますし、規約は更新されます。断定的なことは書けませんので、使う前にご自身で規約を確認してください、というのが正直なところです。著作権の扱いについても、専門家の解説や公的な資料を当たったほうが確実だと思います。
かわりに、私が自分の運用ルールとして決めていることだけ書いておきます。
ひとつ、プロンプトに実在する企業名・ブランド名・作家名を書かない。ふたつ、生成物に文字とロゴを入れず、必要な文字はあとから自分で載せる。みっつ、公開前に等倍で見て、商標らしきものが混じっていないか確かめる。よっつ、特定の実在人物に似た顔が出たものは使わない。規約の解釈で迷う前に、そもそも危ない要素を入れないほうが早い、という考え方です。
ロゴが焼き込まれた一件は、規約を読んでいたかどうかの話ではなく、私が画風の指定にブランド名を使ったのが原因でした。入口で止められる失敗が、けっこうあるということだと思います。
よくある質問
Q. 無料プランで生成した画像も商用利用できますか?
A. サービスごとに違いますし、同じサービスでも無料と有料で条件が分かれていることがあります。私は有料のツールしか使っていないので無料プランの実態を語れません。使う予定のサービスの利用規約で、商用利用の可否と、必要なクレジット表記を確認してください。
Q. AIで生成した画像に著作権はありますか? 侵害になるのはどんなときですか?
A. 法的な線引きは状況によって判断が分かれるところなので、断定は避けます。実務の感覚として危ないのは、実在するブランドや作品、特定の人物を指す言葉をプロンプトに入れたときです。私が商標を焼き込まれたのも、まさにその書き方をしたからでした。判断に迷う内容を扱うなら、公的機関の資料や専門家の見解を確認するのが確実だと思います。
Q. ブログのアイキャッチやSNS投稿の画像は、どのツールで作るのがいいですか?
A. 私はHiggsfieldとGPT Imageを使い分けていますが、正解というより自分の作業に馴染んだ結果です。まずは今使っているAIサービスに画像生成が付いていないか確かめて、そこから始めるのが手間が少ないでしょう。ツールを増やすより、プロンプトの型を一つ決めて使い回すほうが、仕上がりは早く安定します。
Q. ChatGPTやGeminiで画像生成がうまくいきません。どうすればいいですか?
A. ツールを乗り換える前に、指示の中身を疑ってみてください。要素を足しすぎていないか、画風をブランド名で伝えていないか、描いてほしくないものを書いていないか。三つを直すだけで変わることが多いです。それでも近づかないなら、条件を箇条書きにしてAIにプロンプトを組み直してもらうと、こちらが思いつかなかった言葉が入ってきます。
まとめ
AI画像生成のコツとして、私が実際にやっているのは四つだけです。描いてほしくないものを具体的に並べること。画風をブランド名ではなく撮影条件の言葉で書くこと。生成物を等倍で確認すること。二、三回で近づかなければ作り直すこと。
どれも技術的な話ではなく、失敗して痛い目を見てから決めたことばかりです。ロゴの焼き込みも、画面にびっしり文字が入ったノートパソコンも、避けようと思えば避けられました。うまくいかないときに指示を足したくなったら、いったん手を止めて、止めるべきものが書かれているかを見てみてください。それだけで、やり直しの回数はだいぶ変わってくると思います。


