AIっぽい文章はなぜバレる? 人間らしく直す「削って足す」手順
AIで書いた文章が「なんとなくバレる」のはなぜか。原因は長い前置き・指示語の多用・定型のリズム・…

AIに書かせた文章は、なぜか読む人に伝わってしまいます。「なんとなくAIっぽい」「これAIで書いたでしょう」と言われた経験がある人も、多いでしょう。私は仕事で文章をたくさんつくるので、AIっぽい文章をどう直すかは、ずっと向き合ってきたテーマでした。「ai 文章 バレる」と検索して対策を探す人もいますが、原因さえ分かってしまえば、直し方はそんなに難しくありません。なぜAIの文章はバレるのか、そして人間らしい文章に戻すために私が実際にやっている手順を、具体的にまとめます。
なぜAIっぽい文章はバレるのか
最近は「AI slop」という言葉をよく見かけます。AIが吐き出した、それらしいけれど中身の薄い文章のことです。文法は正しく、丁寧で、体裁も整っている。なのに読み終えても、何も残らない。バレる文章のいちばんの特徴は、うまさではなく、この「残らなさ」のほうにあります。
私が原稿をチェックしていて、AIが書いた箇所はだいたい見当がつくようになりました。理由は単純で、AIには決まった書き癖があるからです。長い前置き、指示語の多用、同じ形の言い回し、そして具体の欠落。四つが揃うと、文章は一気にのっぺりします。AIっぽさの正体は、賢すぎることではなく、当たり障りがなさすぎることでした。
AIっぽい文章に共通する四つの癖
直す前に、どこがバレる原因なのかを知っておくと早いです。私が赤入れするときに真っ先に探すのが、次の四つです。
①冗長な前置き——「結論から言うと」「いかがでしたか」など、中身に入る前の余計な一文。②指示語の連発——「これは」「この点は」「ここで」で文を始め、何を指しているかがぼやける。③定型のリズム——「ポイントは3つ」「〜ではないでしょうか」といった、どの記事でも見る言い回し。④具体のなさ——数字も固有名詞も体験もなく、抽象的な正論だけが続く。
四つのうち、私がいちばん根が深いと思うのは、最後の「具体のなさ」です。前置きや指示語は表面の癖なので、削れば直ります。ところが具体が抜けている文章は、いくら言葉を磨いても薄いままです。AIは平均的に正しいことを書くのが得意で、逆に言えば、その人にしか書けない一回きりの中身を持っていません。だから、どこかで読んだような文章になる。
AIっぽい文章の直し方——まず削り、次に足す
本題の直し方に入ります。順番があって、私はいつも「削る」を先に、「足す」を後にしています。逆にすると、余計な装飾がついたまま量だけ増えて、かえって読みにくくなるからです。
1. 前置きと定型を削る
最初にやるのは引き算です。「結論から言うと」「〜していきましょう」「〜ではないでしょうか」といった定型句を、文章全体から拾って消します。一段落まるごと前置きだったら、その段落ごと削ってしまって構いません。読者は思っているより早く本題を読みたがっています。前置きを削るだけで、文章はぐっと引き締まります。
2. 指示語を名詞に置き換える
次に、文の頭にある「これは」「この点は」「そこで」を探して、名詞で言い切り直します。「これは大事なことですが」より「順番が大事ですが」のほうが、何の話かすぐ分かります。指示語は書き手には楽でも、読み手には一拍の負担になります。私は書き上げたあと、文章を「これ・この・その・ここ」で検索して、不自然な箇所をまとめて潰しています。地味ですが、AIっぽさがいちばん減る作業です。
3. 具体を一つ足す
削ったら、今度は足します。とはいえ言葉を盛るのではなく、抽象的な正論に、具体を一つだけ添える。「時間が増えました」で止めず「朝に三十分、本を読む時間が増えました」と数字や場面を入れる。「便利です」で終わらせず、自分がいつ、何に使って、どう感じたかを一行足す。数字、固有名詞、実際の失敗談。どれか一つでも入ると、文章は急に生き返ります。AIには書けない一回きりの中身が、そこにだけ宿るからです。
人間味は「言い切り」と「一次体験」から出る
削って足したあと、最後にものを言うのが語り方です。AIは無難に濁す癖があります。「〜と言えるかもしれません」「〜な面もあります」と、両論併記でふわっと着地する。読みやすい反面、書き手の顔が見えません。私は、思い切って言い切る一文を、段落にひとつ混ぜるようにしています。全部を言い切ると押しつけがましくなるので、要所だけ。「私はこう思います」と一度腹を見せると、文章に体温が戻ります。
そもそも、いちばん強い人間味は、自分が実際に体験したことにあります。机上の一般論はAIのほうが上手に、速く書けます。人間が勝てるのは、自分が見て、触って、失敗した一次体験の部分だけです。私が運営しているこのメディアも、AIが仕事を担っていく時代に、人が何に幸せを見出すのかを、実際に自分で試しながら書くことを軸にしています。裏を返せば、一次体験さえ持っていれば、文章がAIっぽくなりようがない、とも言えます。
見た目のクセより中身の信用が気になる方へ。AIが自信満々に間違えることへの向き合い方はAIは嘘をつく。共有する前の確認5つにまとめました。あわせてどうぞ。
ちなみに、自分の言葉づかいや価値観をあらかじめAIに覚えさせておくと、出てくる文章のトーンが最初から自分寄りになって、直す手間が減ります。AIに自分を覚えさせて相棒に育てる話に詳しくまとめているので、興味があれば読んでみてください。
AIに書かせつつ、人間に戻す手順
誤解のないように書いておくと、私はAIで書くこと自体は、まったく否定していません。むしろ下書きはどんどんAIに任せます。ゼロから真っ白な画面に向かうより、たたき台があるほうが速いからです。大事なのは、そのあとの一手間のほうです。
私の流れは、だいたいこうです。まずAIに構成と下書きを出させる。次に、前置きと定型を削る。指示語を名詞に直す。そして、自分の体験や数字を各段落に一つずつ足していく。最後に音読して、自分の口から出ない言い回しを、しゃべり言葉に寄せる。手間のように見えて、慣れると十分程度の作業です。AIに三割、人間に七割、くらいの気持ちでいると、ちょうどいい仕上がりになります。もっと基本的なAIとのやり取りから知りたい人は、ChatGPTの使い方のコツもあわせてどうぞ。
よくある質問
Q. AIで書いた文章は、本当にバレるものですか?
A. 判定ツールの精度はまだ不安定で、機械的に見破られるとは限りません。ただ、読み慣れた人には「なんとなく薄い」と伝わりやすいです。バレるかどうかより、読者の心に何か残るかどうかを基準にしたほうが、結果的に良い文章になります。
Q. AI検出ツールを避けるために、わざと崩したほうがいいですか?
A. 検出ツール対策を目的にすると、逆に不自然な文章になりがちです。狙うのは「検出をすり抜けること」ではなく「中身を持たせること」だと考えています。具体と一次体験を足すほうが、遠回りに見えて確実でしょう。
Q. 文章が苦手でも、人間らしく直せますか?
A. 直せます。うまく書く才能より、自分の体験を一つ思い出して書き足せるかどうかのほうが大事だからです。名文を書く必要はなく、あなたにしか書けない具体を一行入れるだけで、AIっぽさはかなり抜けます。
Q. どこから直せばいちばん早いですか?
A. まずは前置きの削除と、文頭の指示語の置き換えから始めるのがおすすめです。文章の中身をいじらずに、見た目のAIっぽさだけを先に落とせるので、効果を実感しやすいです。
AIっぽい文章を直す作業は、突き詰めると、余計なものを削って、自分だけの具体を足すことに尽きます。前置きを消し、指示語を名詞に変え、言い切りと一次体験を一つ添える。やることはそれだけで、同じAIの下書きが、ちゃんと自分の文章になります。全部を一度にやろうとせず、まずは前置きを一つ削るところから、試してみてください。


