YouTubeのサムネイルはAIで生成しなくていい。本編のカットから選んで文字を後から乗せた、追加0クレジットのやり方
YouTubeのサムネイルをAIで生成しようとして、途中でやめました。本編用の絵を作り終えていた…
YouTubeのサムネイルをAIで生成しようとして、プロンプトを書きかけたところで手が止まりました。同じ動画のために、本編用の絵をその日のうちに何十カットも作り終えていたからです。動画の中身を言い当てている絵は、すでにフォルダの中にありました。新しく生成するのはやめて、本編のカットから1枚選び、文字を後から重ねてサムネイルにしています。追加で減ったクレジットは0でした。候補は3案立てて、2案はその場で落としています。
【実測】サムネイルのために追加で減ったクレジットは0だった
2026年8月30日に、8分26秒の解説動画を1本公開しました。ナレーションは自分の声を学習させたクローンで読ませて、絵は全編を鉛筆スケッチ調の白黒で揃えています。39カットのうち動かしたのは6カットだけで、残りは静止画です。最後に残った工程がサムネイルでした。
そこで作ったサムネイル1枚に対して、新しく生成した画像は0枚で、追加で減ったクレジットも0でした。使ったのは本編の1カットです。画像生成のサービスは1回も呼んでいません。
先に断っておくと、0というのは「サムネイルのために追加で払っていない」という意味です。素材そのものはタダで湧いたわけがなく、本編を作る工程で先に払い終えています。
本編の静止画は、動画を作った時点ですでに払い終えていた
動画は1カットにつき1枚の絵で組んでいて、全部で39カットあります。台本を章ごとに分けて、その章で話している内容を絵にしたものを、1枚ずつ画像モデルに描かせました。解像度は2Kで、比率は16:9です。
39カットを揃えるまでに生成した絵は55枚です。本番の39枚に、作り直しが16枚ぶら下がっています。静止画だけで110クレジット、動画1本ぶんの合計では約178.6クレジットが、制作費として先に減っていました。サムネイルを作り始めた時点で、私の手元には「その動画の話題を絵にした、2Kの16:9画像が39カットぶん」あったことになります。1本ぶんの内訳をどう数えたかはAI動画1本=約280クレジット。実測の内訳に書きました。あちらの約280クレジットは、カットを57まで増やした別の回の数字です。この記事の動画は、同じ記事の推移表に2本目として載っている約178.6クレジットのほうにあたります。
本編から1枚選んで合成すれば、追加の生成はいらない
やったことは単純です。39カットを一覧にして眺め、動画の主題を一言で言い表している1枚を選び、拡大して右に寄せ、空いた左側に文字を置きました。
選んだのは、中身が真っ黒に濁ったコップの絵です。動画の主題が「賢いAI1体に全部を任せたら、出力が濁った」という話だったので、濁ったコップがそのまま看板になりました。本編では10カット目に置いた絵で、画面には12秒ほど映ります。
合成にはImageMagickを使っています。まずコップのインクの範囲を実測して、フレームの高さの84%になる倍率を出す。そこまで拡大して右へ339ピクセル寄せる。左に空いた帯は、元の絵の地色をそのまま流し込んで継ぎ目を消す。生成を1回も挟まずに、サムネイルの下地ができました。
倍率を目分量で決めなかったのは、縮めたときに読めなくなるのを避けたかったからです。一覧に並ぶときは横320ピクセル前後まで縮む、という前提を置いて作っています。実際に320ピクセルと120ピクセルに縮めた画像を書き出して、そこで読めるかどうかを見ました。
候補は3案あって、2案は最初の段階で落とした
1枚選ぶと書きましたが、迷わず決まったわけではありません。既存のカットの組み合わせで3案作って、比べています。3案とも新規の生成は挟んでいないので、比較そのものにもクレジットは減っていません。
| 案 | 使ったカット | 結果 |
|---|---|---|
| A案 | 濁ったコップ1枚を巨大に右寄せ、左に文字 | 採用。主題が1つで、320ピクセルに縮めても黒い塊が潰れずに残った |
| B案 | 澄んだコップと濁ったコップを左右に並べる | 不採用。主題が2つになる。細い線画が320ピクセルで消えた |
| C案 | 向かい合う2つの机 | 不採用。前の回と同じ形なので、並んだときに見分けがつかない |
B案を落とした理由が分かりやすいと思います。前後を並べると説明としては親切なのですが、縮めた瞬間に細い線が飛びます。パソコンの画面で見て良さそうでも、実際に並ぶサイズで確かめると判断が変わりました。
C案は絵として悪くありませんでした。落としたのは、前の回のサムネイルと構図が同じだったからです。それと、机が2つ向かい合っている絵は「分ける」という答えの側を先に出してしまいます。サムネイルで答えを出しきると、開く理由がなくなります。
本編のカットを使うと、サムネイルと動画の中身が地続きになる
選んだ結果として起きたことが1つあります。サムネイルに出ているコップが、本編にもそのまま出てくる、という状態です。クリックして再生すると、看板と同じ絵が中で動きます。
先に範囲を書いておきます。確かめられたのは「本編のカットを使い回すと絵柄が一致する」という片側だけで、サムネイルだけ別に生成した場合にどれくらいズレるかは、私は試していません。ズレるはずだから避けた、という順番ではなく、素材が余っていたので生成しなかった、という順番です。
とはいえ、一致する側にははっきりした利点がありました。39カットは線の太さから紙の質感まで揃えてあります。同じ絵柄をサムネイルでもう一度出そうとすると、プロンプトを書き直して、当たりが出るまで投げ直すことになります。本編のカットを使えば、その工程がまるごと消えます。
AIで作ったサムネイルが「どれも同じに見える」と言われている
2026年8月末に、サムネイルとAIというテーマの記事をまとめて読んでいたとき、1本だけ毛色の違うものが混じっていました。AIで作ったサムネイルに対して「どれも同じに見える」という声が出ている、という内容です。ほかが全部「AIでサムネイルを生成する方法」を書いている中で、そこだけが逆を向いていました。
同じに見えるのは、たぶん出どころが同じだからだと思います。同じモデルに、似た指示で、サムネイルらしい絵を注文すれば、返ってくるものは平均値に寄ります。誰が頼んでも同じ入口から出てくるので、揃ってしまうのでしょう。
生成しないという選び方は、そこを素通りします。本編の39カットは、その動画の台本を絵にするためだけに描かせたものです。他の誰かの動画のために作られた絵ではないので、そもそも被りようがありません。サムネイルらしさを狙って作った絵ではないぶん、サムネイルらしくない、とも言えます。
文字は画像生成に任せない ── 後から重ねる
もう1つ決めていたのが、文字の扱いです。絵の中に日本語を描き込ませることは、この動画では1回もしていません。絵はクリーンに描かせて、文字はあとから別のレイヤーとして重ねます。
生成した絵に文字を入れさせない
画像生成に日本語を入れさせると、崩れることがあります。では、なぜ崩れるのか、どういう崩れ方をするのか。同じ指示で出力を並べて確かめたのがNano Banana 2とProの違いは系列だった。同じ指示で名前が3層とも食い違った再現ログのほうです。原因まで追いたい場合は、そこが本題になります。
本題からは外れるので、ここでは引いた結論だけ書きます。文字は生成に混ぜない。絵と文字を別々に持つ。
文字を合成の側に置くと、直しが一瞬で終わる
実際の作りはこうなっています。文字の行ごとに、背景が透明なPNGを1枚ずつ描く。フォントは太いウェイトのゴシックを指定して、文字サイズと字間を数値で決める。できた文字のPNGを、下地の画像に座標を指定して重ねる。
絵と文字を切り離しておくと、文言を直すのも、大きさを変えるのも、1クレジットも減りません。数値を書き換えてコマンドを流し直せば、数秒で別の版が出てきます。生成に焼き込んでいたら、1文字直すたびに投げ直しです。
1つ、範囲を限っておきます。動画の中に出るテロップや字幕を後乗せにする理由には、検索や読み上げに乗ることも含まれる、と考えて私は作業してきました。ただ、サムネイルの文字が同じように扱われるかどうかは、私は確かめていません。画像の中の文字なので本文としては読まれないだろう、という前提で作っただけです。実際に助かったと言えるのは、サムネイルに限れば直しの速さの1点でした。
本編のカットをどう組んだかは、絵コンテとプロンプトの側の話になります。参照画像から余計な要素が写り込むのを止めた手順がAI動画生成のプロンプトを39カットぶん書いた記録と対になります。読む順番はどちらからでも構いません。
公開前に直した2か所 ── 行間ゼロと中央の空白帯
うまくいかなかった側の話に移ります。合成が終わった時点で、私は「できた」と判断していました。縮小して読めるか、主題が1つに絞れているか、明暗の差が出ているか、煽っていないか。自分で立てた検査項目は全部通っています。文字が切れていないことも、右端の座標を実測して確認しました。
それでも、あらためて見直したときに直したほうがいい箇所が2つ出てきました。項目としては全部合格だったのに、直しが2か所入った形です。
大きいほうの文字2行の行間がゼロだった
サムネイルの文字は2段構えにしています。上に小さい設定行、下に大きい打点の2行。この大きいほうの2行が、上の行の下端と下の行の上端でほとんど接していました。座標を数えると、あいだに空いていたのは数ピクセルです。
気づけなかった理由は単純で、1行ずつのサイズは実測していたのに、行と行のあいだの空きは計算に入れていなかったからです。文字が切れていないかは見ていて、詰まりすぎていないかは見ていませんでした。
中央に意図しない空白帯ができていた
2つ目が分かりにくい類のものでした。文字ブロックの右端と、コップの左端のあいだが135ピクセル空いていました。私はその135ピクセルを「文字と絵が重なっていない証拠」として、合格の根拠に使っていました。
ところが、縮小して眺めると、その隙間は安全域には見えません。画面の真ん中を縦に走る、何も置かれていない帯に見えます。左に文字、右に絵、真ん中に空白。同じ数字が、測る目的によって合格にも不合格にもなっていました。
v1を捨ててv2に差し替えた
直したのは文字のレイヤーだけです。大きいほうの2行を一回り大きく組み直して、字送りを1ピクセルぶん詰め、行と行のあいだに38ピクセルの間隔を入れました。真ん中の空白帯のほうは、幅そのものは135ピクセルのまま変えていません。文字ブロックが縦に伸びたぶん、縦の帯として目に付きにくくなった、というだけです。絵の側は1ピクセルも触っていません。
最初の版は捨てて、差し替えた版を公開に使いました。作り直しにかかったクレジットも0です。文字が合成の側に置いてあるので、サイズと座標の数値を書き換えて、コマンドを流し直しただけで済みました。もし文字を絵に焼き込ませていたら、行間を空けるために画像そのものを作り直すことになっていたはずです。
捨てた版も消してはいません。文字なしの下地と、行ごとの文字PNGを別々に残してあるので、文言を変えたくなったらそこから組み直せます。
どの1枚が動画の顔になるかは、作った本人にしか分からなかった
絵を描く工程は、この動画ではほとんど自分の手を離れています。台本を渡せば絵が返ってきますし、原稿を渡せば自分の声で読み上げられます。サムネイルも、頼めば1枚作ってくれたはずです。
ただ、39カットの中から濁ったコップを指さすところは、最後まで自分で決めています。あの絵が主題を言い当てているかどうかは、その動画を最後まで組んだ人間にしか判断がつきません。画像モデルに「この動画に合うサムネイルを」と頼んでも、モデルは動画を見ていません。
おそらく、AIで作れるかどうかという線引きより、素材がすでにあるかどうかの線引きのほうが手前にあります。1本作り終えた人は、その時点でその話題の絵を何十枚か持っています。手元にあるものを先に見返すのは、生成するより手前でできることでした。
単価が下がると作り方そのものが変わる、という話はHiggsfield Soul 2.0は1枚0.12クレジット。安さが変えたのは絵の質ではなく作り方だったで扱っています。あちらは安く作れるようになった側、この記事は作らずに済ませた側です。
よくある質問
Q. サムネイルをAIで自動生成できる無料のツールはありますか?
A. 探せばあると思いますが、私は使っていないので勧められません。私がやったのは生成しない形で、サムネイルのために追加で減ったクレジットは0でした(本編の絵の生成ぶんは、動画の制作費として別に払っています)。無料のツールを探す前に、その動画のために作った画像が手元に残っていないかを見るほうが早い場合があります。
Q. 本編の絵をそのまま使うと、動画とサムネイルが同じ絵になりませんか?
A. 同じファイルを使っていますが、見え方は別物になります。私の場合はコップがフレームの高さの84%を占めるところまで寄せて右に置き、左に文字を重ねました。本編では39カットのうちの1つとして12秒ほど流れていく絵なので、そこまで寄って画面いっぱいの看板にすると印象が変わります。
Q. サムネイルの文字は、画像生成に入れさせてもいいですか?
A. 私は入れさせていません。理由は、文言や大きさを直すたびにクレジットが減るからです。文字を合成の側に持っておくと、数値を書き換えて流し直すだけで別の版が出ます。実際、公開前に行間を直したときの費用も0でした。日本語がどう崩れるかを並べた検証は、別の記事に分けてあります。
Q. まだ動画を作っていない場合は、どうすればいいですか?
A. 素材が1枚も無いなら、生成する以外にありません。この記事に書いたのは、あくまで本編を先に作り終えていた場合の話です。手元に何も無い状態からサムネイルだけを用意する方法は、私は試していないので分かりません。
まとめ
8分26秒の動画を1本公開したときに、サムネイルのために追加で減ったクレジットは0でした。使ったのは本編の39カットのうち1枚で、拡大して右に寄せ、左に文字を後から重ねています。候補は3案立てて、縮小したときに線が消える案と、前の回と構図が同じになる案を落としました。公開前に行間と中央の空白帯の2か所に手を入れていますが、文字が合成の側にあったので、そこにもクレジットは減っていません。
0という数字は、素材の生成ぶんを本編の制作費として先に払っているうえでの0です。そこを差し引いても、動画を1本組み終えた時点で、その話題の絵はもう手元にあります。今回は、新しく注文する前に、その動画のために描かせた39枚を一覧にして眺めてみました。そこで1枚見つかったので、生成の工程はそのまま要らなくなりました。
更新履歴
2026年9月:初版を公開しました。0クレジットという数字は、2026年8月30日に公開した動画1本ぶんの実績です。本編用の静止画39カットの生成ぶんは含んでいません(そちらは動画の制作費として別に減っています)。サムネイルだけを別に生成した場合との比較は行っていません。


