工房について
三代、同じ場所で綴じています。
1950年に祖父がはじめた製本所です。当時は教科書や帳簿をまとめて綴じる仕事が中心でしたが、印刷が機械化されるにつれて依頼は減っていきました。いま工房に持ち込まれるのは、機械では扱えないものばかりです。背が割れた辞書、水を吸ってふくらんだ日記帳、部数が一冊しかない記念誌。
直し方に、決まった正解はありません
紙の厚みも、糸の傷み方も、一冊ずつ違います。まず全部ほどいて、どこから壊れたのかを見るところから始めます。同じ「背が割れた」でも、糸が切れているのか、接着が剥がれているのか、紙自体が裂けているのかで、直し方はまったく変わります。
できるだけ、元の姿を残す
修理でいちばん迷うのは、どこまで新しくするかです。傷んだ表紙を全部取り替えれば見た目はきれいになりますが、その本らしさは消えてしまいます。書き込みも、日焼けも、その本が使われてきた時間です。
ですから、まず残せるものを数えます。背だけを新しくする、糸だけを替える、表紙は洗って戻す。そのうえで、どうしても持たない部分だけを新しくします。ご希望があれば、思い切って作り直すこともできます。仕上がりの方向は、お預かりする前に必ず相談させてください。
使っている道具
糸かがりの台、押し切り、プレス機。どれも祖父の代から使っているものです。新しい機械も一部入れていますが、綴じの工程は手で進めます。時間はかかりますが、糸の締め具合を紙に合わせられるのは手作業だけです。
工房のご案内
| 屋号 | とじしろ舎 |
|---|---|
| 創業 | 1950年 |
| 仕事 | 本の修理・製本、論文製本、オーダー製本 |
| 受付 | お問い合わせフォームから承ります |
| お預かり | ご来店のほか、郵送でも受け付けています |
はじめての方へ
直せるかどうかは、実物を見ないと分かりません。写真だけでは判断がつかないことも多いので、迷ったらまずご相談ください。手に負えない状態のときは、そのとおりにお伝えします。無理に引き受けて、かえって傷めてしまうほうが申し訳ないからです。